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2026.01.22東京大阪
「パエリアは、主にスペイン東部で食べられている料理です。7世紀から15世紀頃、スペインはイスラム教に支配されていた時期があります。スパイスやハーブをふんだんに料理で使うのですが、これはイスラム教の影響を受けています。また、1492年頃まで、カトリック教徒による『レコンキスタ』が起こります。カトリック教徒が、イスラム教徒から国土を奪い戻す国土回復運動です。レコンキスタ以降、キリスト教徒によりブドウが植えられ、ワイン造りが盛んになります。西洋料理を作るときに覚えておいてほしいのは、宗教と気候の掛け算で料理が成り立っています」と解説するのは、ビクトル・ガルシア代表。

2012年に、代官山にスペイン郷土料理・お米料理専門店「Arroceria Sal y Amor(アロセリア・サル・イ・アモール)」をオープン。『ミシュランガイド東京』ビブグルマンに11年連続で掲載されている名店です。
今回は代官山に本店「Arroceria Sal y Amor(アロセリア・サル・イ・アモール)」を構えるサル・イ・アモールグループよりビクトル・ガルシア代表、田中孝人シェフをお招きしスペイン料理について学びます。
【1.「アロセリア」とは?】

ビクトル代表「日本ではシーフードパエリアが人気ですが、本場・スペインでは海鮮はメジャーではありません。スペイン人にとって、パエリアといえばバレンシアです!具材はウサギ、カタツムリ、ハーブ、スパイスをきかせたパエリアで、僕たちのお店でもメニューのいちばん上に掲載しています。店名の『アロセリア』の意味は、アロス(arroz)=米で、お米屋さんという意味です」

【2.「シーフードパエリア」の仕込み】
ここからは、田中講師による調理デモンストレーション。

田中講師「西洋料理のだしと、日本料理のだしとでは考え方が異なります。
日本は繊細な風味を重視しますが、スペイン料理では素材のうま味をどのように出すかが大事になります。今回は、鯛の頭を使ってだしを取ります。鯛を選ぶ理由はほどよいゼラチン感と甘みがあるから。だしを取るとき、フランス料理では流水にさらして血抜きをしますが、スペイン料理ではある程度の血合いを取ったら火にかけます。これは、素材から出る滋味も、うま味ととらえているからです」
寸胴鍋に、水、血合いを取った鯛の頭を入れて火にかける。
【3.万能調味料「アリオリソース」を調理】
田中講師「だしを取っている間に、アリオリソースを作ります!アリオリソースは、ニンニク入りマヨネーズのようなソースです。パエリアの味変や、魚をオーブン焼きやオムレツに添えても美味しく召し上がれる、万能調味料です!」

ブレンダーに全卵を入れ、芯を取ったニンニク、白ワインビネガー、オリーブオイルを入れます。次に、サラダオイルを少量加えます。塩を入れたらハンドブレンダーでなめらかになるまで混ぜていきます。
田中講師「ニンニクがしっかりペースト状になるまで混ぜます」
【4.パエリアの具材を準備し、仕上げる】
1)鯛だしのアクを取りながら海鮮の下処理を行う

田中講師「アルゼンチン赤エビは、みそからうま味が出ますが、使い方を間違えるとエビ臭さが出てしまうので、背わた、ひげをとります」と解説。
<ムール貝>貝殻の表面を綺麗にし、貝から出ている足糸(そくし)を除く。

<イカ>足をつかんで、ゆっくりとワタを引き抜き、軟骨も引き抜く。

2)スペイン産パプリカ「ニョラス」のペーストを入れる
田中講師「パエリアに乾燥パプリカを入れるだけでグっと風味がよくなります!私たちはスペインで『ニョラス』を買い付けています」
スペイン産パプリカ「ニョラス」の香りを嗅がせていただきます。


3)ニンニクをみじん切りにする
4)パプリカも一口大に刻む
5)最初に赤エビを炒める

田中講師「エビの生臭さを飛ばすイメージです。フライパンが温まったら弱火にしています。後でオーブンに入れるので、半生くらいの状態を目指します。完全には火を入れません」
6)エビを取り出す。同じパエリア鍋に、ニンニク、貝類、イカ、エビを入れて中火程度で炒める

7)沸騰した鯛だしを入れ、米を入れる。だしの量は米の約4倍の量を目安にする。

田中講師「沸騰しただしに米を入れるのはなぜでしょう?答えは、米はでんぷん質を持っているので、冷たい状態から入れると、スープの中にある時間が長くなってしまい、デンプン質が出やすくなり、炊き上がりにその都度ムラが出やすくなってしまいから。米を入れたらすぐにほぐさないと、ひとかたまりになってしまいます。これも大事なポイントです。全体的に、ただし必要最低限だけ混ぜます」

8)食用着色料「コロランテ」を入れ、塩を加えスープの味を調える
田中講師「味噌汁よりも、少し薄いくらいの塩味を目指してください」
9)300度に設定したオーブンで、約15分加熱。
田中講師「炊くというよりも焼き上げるイメージです。米に火が入りすぎず、だしのうま味を一気に吸い込ませます」
10)再度オーブンに入れ(状態を見て)5分加熱する
田中講師「日本の米は水分量が多く、甘くてもちもちです。一方、スペイン・バレンシアの米はでんぷん質が少なく硬めです。使う米の種類によって、オーブンに入れる時間も変わります」と解説。
そして、魚介のパエリアが完成!

【5.田中講師がスペイン料理を志した理由は?】
田中講師「皆さんと同世代だった頃、雑誌でタパスやピンチョスを見て興味を持ちました。スペイン料理の店で働くと、シェフがすごく美味しい料理を作ってくれてスペイン料理にしよう!と思いました。興味を持つと勉強も自然とはかどると思います」
―― スペイン料理の魅力は?
田中講師「スペイン人は、一般的に笑顔が多くて陽気です。料理も米を使うものが多いです。私自身も秋田県出身でいちばん好きな食材が白米ということも合っていると思います。最近ハマっているのは、スペインの豆料理。大粒の白いんげん豆『ファベス』を豚肉と一緒に煮込んだ料理です。スペインのブドウ品種・ヴェルデホやシェリー酒も好きです」と話します。
講師によるデモンストレーションを見た後は、試食タイム!

プロの味を舌に記憶してから、メンバーも調理に取り掛かります!

2人1組で、手際よく調理を進めていきます。


田中講師が各調理台を巡り、スキルをチェックしてくれます。
―― 授業を受けた感想は?
猪ノ子石さん「スペイン料理は作ったことがないジャンルです。今回の授業をきっかけにレシピなども調べていきたいと思いました!」
斎藤さん「『食文化は宗教と歴史の掛け算』という言葉が印象的でした。単にレシピを学ぶだけでなく、歴史について知れたのが良かったです」

東京・代官山は食の最新トレンドが集まる場所。各業界をリードするプロフェッショナルから指導を受けることで、実践的スキルを養います。
【PROFILE】
Arroceria Sal y Amor(アロセリア・サル・イ・アモール)
東京都渋谷区代官山町12-19 第3横芝ビルB1
Instagram:@arroceria.salyamor
















