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「リアルな飲食経営を感じられた」。
スクール内コンペを勝ち抜いた3ブランドが1日限定オープン「独立開業チャレンジ2026」

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2026.09.29東京大阪

8月31日11時、レコールバンタン東京校(中目黒校舎)に3つの飲食店がオープンしました。

注文の前にカウンセリングシートを渡すコーヒースタンド、栄養と香りにこだわったバゲットサンド専門店、そして嚥下食としても食べられる設計のカップケーキ。

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レコールバンタン在籍中から、飲食店の開業に挑む「独立開業チャレンジ」には、全13チームが応募し、2次審査を通過した3ブランドが出店を果たしました。

営業は11時から15時まで、奮闘するメンバーに密着しました。

 

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1. 豆の背景をふせて味わってもらう。「Mysteek coffee」

「自分を見つめる時間に価値を」を掲げるコーヒースタンド「Mysteek coffee」。「ミステリアス」と「シーク(探す)」を組み合わせた店名で、カフェ&バリスタ専攻の5人チームです。情報過多な社会で一歩立ち止まり、心を整える時間を提供する。「コーヒー=飲み物」から「時間・意味の提供」への転換がコンセプトです。

注文の前に、お客はカウンセリングシートを記入。その内容をもとにバリスタが最適な1杯を提案し、満足度を上げる仕掛けです。

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メニューは「夕時ブレンド」から、「前向き」「優雅」と名づけたシングルオリジン。店頭では産地を明かしません。

「コロンビアやキリマンジャロなどの産地を知っていても、実際の味は分かっていない人が多い。飲んだあとにカードを見て『これだったんだ』と知ってもらう。その驚きを狙いました」

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豆は自分たちで探した業者から仕入れ、ドリップレシピも自分たちで考案。

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客席には卒業生の姿もあり、「深煎りが好きなので夕時ブレンドを。他店に負けないくらいおいしいです」と評価しました。

2. 試作6回、原価率も計算。「GAJUMARU」

「栄養×ペアリング」を掲げるバゲットサンド専門店「GAJUMARU」。高等部 調理プロデュース専攻3年次の3人が、色(栄養)と香り(ペアリング)が生む新しい食体験をテーマに、ポルケッタとフムス、スモークサーモンとビーツフムス、サバコンフィとジェノベーゼフムス、鶏ハムととうもろこしフムスの4種を各700円で販売しました。全粒粉のパンは自家製です。セットメニューも用意。

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「健康的なものを食べたいけれど、時間も手間もかけたくないし、我慢もしたくない。そんな現代の問題を食事で解決したい」

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本格的な準備は6月から始め、メニュー試作は6回を重ねました。

いちばん難しかったのは、フムスの整形と味の再現性だったといいます。鶏ハムづくりも含め、新しい調理技術に挑みました。

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原価計算は、普段の販売実習と同じ手順で行いながら、今回は賃料まで想定に入れています。「飲食店の原価率は30〜40%が目安と習っているので、安くしすぎないように設定しました」

学びを聞くと、返ってきたのは「オペレーションを何から何まで、全部自分たちで考えなければならなかったこと」。販売実習ではそこまで意識することがなかった、食材ロス、仕込みの順番までを緻密に考えるようになったといいます。「1日だからなんとか回せているけれど、毎日続けるとなったら、体力的に間違いなく回りません。人を増やせば人件費がかかる。そのせめぎ合いなんだなとわかりました。リアルな飲食経営を感じられたのが、すごく良かったです」

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3. 嚥下食コンテスト奨励賞受賞。「ソバ・ケア」

嚥下食ケーキのブランド「ソバ・ケア」。「どんな人でもおいしく食べられる」「また家族や友人と食卓を囲めるようにしたい」「口から食べることの大切さを感じてほしい」をコンセプトに、抹茶プリンやチョコプリンなど5種類のデザート(各600円)を各28個、3日前から仕込んで用意しました。開店直後から順調に売れ、いちばん人気は抹茶でした。

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リーダー・近藤真弥さんは、元看護師です。

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「脳神経外科の病棟で5年間働いていました。誤嚥性肺炎の原因は、嚥下(えんげ)障害だったりします。鼻からのチューブや点滴で栄養をとるようになった患者さんを見て、おいしくて食べやすい嚥下食があれば、口から食べられたのかなと思っていました」

実は昨年も同プログラムに応募したものの採用とはならず。「コンセプトは変えず、味と見た目を1年かけて作り直しました。『第13回 嚥下食メニューコンテスト』にも応募して奨励賞をいただき、他受賞者の方の調理を見学させてもらう機会も。とても勉強になりましたね」

受賞で得た知識も反映したものの、販売できる商品にいたるまでの道のりは長かったといいます。「自分の中で『こういうものを作りたい』という思いはあったけれど、なかなか商品化できませんでした。手に取ってもらう、見てもらうところまで考えないと、商品にならないと分かりました。10月からはパティスリーに就職し、食材のペアリングを学んでいきます。並行して、冷凍で全国に届けられる形を目指して、最終的には病院や施設、在宅でも食べてもらえるようにオンライン販売を考えたいです」と意欲を見せます。

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4. 「食べたらおいしい」は通用しない。監修・末廣講師の言葉

「独立開業チャレンジ」を監修する末廣講師は、開店後に各店を回り、1人ひとりに声をかけていきました。末廣講師が例年、評価しているのは主に4点です。生産性と衛生面を両立できているか。チームで意思疎通ができているか。段取りができているか。そして、見せ方とディスプレイに工夫があるか。「『食べたらおいしいんです』は通用しません」というのが、独立開業チャレンジで繰り返し伝えてきた言葉です。その基準に照らして、末廣講師がいちばん長く足を止めたのが「ソバ・ケア」の前でした。

「ブラッシュアップして素晴らしい味に仕上げてきました。同じ商品だけれど、同じじゃない。すごい想いがあって作られていて、今年は売れる商品になっています」

その言葉に、近藤さんは何度もうなずいていました。1店舗の飲食店をオープンするまでには無数の工程があり、そのほとんどを同時並行で精度高く進めなければなりません。

1日限定のオープンは、独立開業への解像度を高める場となりました。

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【出店メンバー】

「Mysteek coffee」:舩坂哲平さん、西巧登さん、野口みずきさん(カフェ&バリスタ専攻2年次)

「GAJUMARU」:高沢遼成さん、島越大雅さん、山瀬陽菜さん(高等部 調理プロデュース専攻3年次)

「ソバ・ケア」:近藤真弥さん(グランパティシエ専攻3年次)

※嚥下(えんげ)食……かむ力や飲み込む力が弱くなった人でも安全に食べられるよう、やわらかさや形状、口の中でのまとまりやすさを調整した食事のこと

【PROFILE】

末廣憲頼さん

Riccio d'oro(リッチョドーロ)オーナー/SEIAI フードコンサル代表

食物アレルゲン28品目不使用のジェラートショップを経営しながら、飲食コンサルタント、学童保育所の経営、不動産貸付業などを手がける。飲食店専門の経営コンサルタントであると同時に、自社でも飲食店を経営し、現場に即した情報をメンバーに教えている。

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