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2023.02.27東京
レコールバンタン高等部 生徒活動情報
「第15回スイーツ甲子園 Supported by 貝印」決勝大会に、
高等部パティシエ専攻3年藤川真歩さん、鈴木琴美さん、篠田花音さんが出場しました
<スイーツ甲子園とは>
同じ高校に在籍する生徒が3人1チームとなり、お菓子作りの技術とアイデアを競うコンテスト
第15回目となる2022年は、全国より70校153チームが参加しました
テーマは「クリスマスケーキ」です。東西各予選大会を経て、レコールバンタン東京校、
飯塚高等学校、野田鎌田学園、おかやま山陽高等学校の4チームが決勝大会に進出
審査員は、
「Toshi Yoroizuka」鎧塚俊彦シェフ、
「Pâtisserie Noliette」永井紀之シェフ、
フランス菓子・料理研究家大森由紀子氏です
今回は、調理試験&プレゼンテーション&閉会式の模様をレポートします。緊張感が溢れる中、調理試験がスタート
味、デコレーション、調理の姿勢、食材の理解度など、総合的に審査されます。調理時間は2時間30分。
まず、藤川さんが取り出したのは、赤いジュレ。鈴木さんは、こまめにメモを確認しながら調理を進めていきます
飴を鍋にかけ加熱していると……「飴が140度になったよ!」と、チームメンバーに声をかける篠田さん。
鈴木さんはロイヤルティーヌを作ってから、ムース作りのサポートに。
チームワークも抜群です
鎧塚シェフは「みんな、手際が良いですね」と好意的なコメントを寄せます。
篠田さんは、ダックワーズを仕上げると、ガナッシュの仕込みに入ります。
<残り1時間30分>
「そろそろ、飾りを準備しなければいけません。飴細工はとても時間がかかりますし、非常に難しい技術が求められます」と永井シェフ。
イエロー、グリーン、レッドとカラフルな飴細工の仕込みに取り掛かるメンバー。
藤川さんは、ライターで飴をあぶり、整形していきます。どんな飴細工ができるのでしょうか……
鈴木さんは、ギフトボックスに飾る「リボン」を伸ばしている最中
「飴細工は素早く作らないと、色ツヤが失われてしまいます」と大森氏。
<残り30分>
ピスタチオのムースケーキに、「グラサージュ」(コーティング)をかけ終えた篠田さん。
赤い花はポインセチア、ロウソク、電球……と、飴細工が少しずつ輪郭を表していきます。
すべての飴細工を飾り付けて……、ケーキの上にのせて固定したら完成
4チームの中で、最も早く調理を終えました
作品名は「聖夜の祝福」。
審査員へのプレゼンテーションでも堂々としていました。
鈴木さん「よろしくお願いします。私たちは三年間の集大成としてこのケーキを作りました。
スリ―ルはフランス語で笑顔という意味です。マスクで顔が見えない時代からこそ、人を笑顔にできるケーキを作りたいという想いを込めています」
藤川さん「いちばん美味しい味の組み合わせを作りたいと思いました。
ロイヤルティーヌのサクサクした食感に、ガナッシュをはさむことによって、ムースとセンターがなじむ構成です。
また、予選大会でシェフにアドバイスをいただき、八分の一にカットしたグリオットをプラスし、食感を出しました。
ムースピスターシュを多く感じるというご指摘があったので、ラズベリージュレと生地を厚くし、
バランスを調整しました。さらにパーセンテージの高いチョコレートを一部、混ぜて仕上げています」
篠田さん「飾りはクリスマスらしく、ポインセチア、プレゼントボックス、オーナメント、ロウソクを散りばめ、
祝福をイメージしています。赤を基調にし、力強さを意味しています」
永井シェフ
「予選の時から完成度を高めていると思います。非常にバランスが良いですね。お店に出ていても、おかしくないです。
強いて言えば、ジュレがもう少し柔らかいと良かったのと、飴のツヤを出すところ、出さないところを使い分けられるとさらに良かったです」
鎧塚シェフ
「ピエスモンテと色は、クリスマスらしくてバランスがいいです。
ピスタチオ、フランボワーズ、グリオットと味も絶妙なバランスです。ただ……
ジュレが固いような気がします。ゼラチンのダマかな?ロイヤルティーヌもサクサクで、量も適切です」
「ゼラチンが少し多めだったのかもしれません。45度から50度のジュレに、板ゼラチンを入れました」と、落ち着いて受け答える藤川さん。
大森先生
「完璧に近いです。ジュレは、下にもってきたら良かったです。カットした色合いと上のデコレーションがリンクしています。
インパクトの高い作品で、ブラボーです」
また、飯塚高等学校は、雪が降り積もる「ホワイトクリスマス」をテーマにしたケーキ。
野田鎌田高等学校は、平和なクリスマスを表現したケーキを発表。おかやま山陽高校は、
スペインの伝統菓子店ポルボロンやイギリスのダンディーケーキなど世界のお菓子をミックスさせたケーキを提案。
こうして、無事に調理試験&プレゼンテーションを終えました。ホッとした表情を浮かべる3人に、インタビューしました!
――― 決勝大会出場の感想を教えてください。
藤川さん「会場がとても綺麗で、入った瞬間はちょっとのまれそうでした。前日に下見をしていたので、落ち着いて調理できたと思います」
――― 調理試験で、上手くできたなと思う工程はありますか?
篠田さん「グリオット(※さくらんぼ)を均等に散りばめられたところ。ムースも、良い状態で仕上げることができました」
鈴木さん「飴細工の出来も良かったです。練習ではリボンが思うように伸ばせていませんでしたが、ツヤが出せて良かったです!」
――― 決勝大会当日を迎えるまでは、どのような気持ちでしたか
藤川さん「7、8回ほど練習しましたが、本当にあっという間でした。レシピを変更したので、段取りを記憶して調理するのに一生懸命でした」
――― どのような点を変えましたか?
篠田さん「例えば、グラサージュをかけるときに、絞り袋に入れてから行いました。一定量が出るので、やりやすくなりました」
――― スイーツ甲子園への出場前と後で、どのような変化がありましたか。
鈴木さん「調理する時に、常に周りをチェックするクセがつきました。また、大会出場以前よりも周りに気を配りながら作業できるようになったと思います」
――― レコールバンタン高等部の授業で、特に活かされていると思うものは?
藤川さん「鍋田シェフの授業です。厳しいアドバイスをいただくこともありますが、スイーツ甲子園に出るためには欠かせないレッスンだったと思います」
篠田さん「レコールバンタンの授業の中でも、特に基礎の授業が大事だと思います」
鈴木さん「授業全般です。しっかり聞くといいと思います」
――― スイーツ甲子園を目指す後輩へ、アドバイスをお願いします。
藤川さん「メンタル面は鍛えておいて。何を言われても動じないこと!」
鈴木さん「自分の思っている意見をハッキリ言ってください。そうでないと、
自分たちが作りたいケーキが作れません。言われたまま作るだけではダメ。しっかりと意見を伝えて!」
篠田さん「自分に負けないことが大切です。頑張って!」
藤川さん「あとは、“自分はできる”よりも“自分はできない”くらいの心構えで丁度いいと思います。
できない、というところからスタートしたら、すべてを吸収できます」
いよいよお待ちかねの結果発表……!まずは、協賛各賞の発表です
<貝印賞(貝印株式会社)>野田鎌田学園高等専修学校「Soleil(ソレイユ)」
<ペコちゃん賞(株式会社不二家)>おかやま山陽高等学校「Merci(メルシー)」
<タリーズ賞(タリーズコーヒージャパン株式会社)>飯塚高等学校「Cheerful(チアフル)」
が受賞しました。おめでとうございます
<パストリーゼ賞(ドーバー洋酒貿易株式会社)>
パストリーゼ賞は「第29回ルクサルド・グラン・プレミオ」優勝作品発表会ご招待と、
学科在校生全員に「ドーバーパストリーゼ77」(500ml)と携帯用空ボトルのセットが贈られます。
「試食をさせていただき、ここに至るまでどれだけ努力されたかを思い、胸が熱くなりました。
選考基準は、個人的にいちばん美味しく洋酒を上手に使っているという点で選ばせていただきました。
パストリーゼ賞は……レコールバンタン高等部スリ―ルです」
篠田さん「洋酒を使ったケーキだったので、選ばれて嬉しく思います」
鈴木さん「選んでいただけると思っていませんでした。これからもたくさん使いたいと思います」
<優勝・文部科学大臣賞>
鎧塚シェフ「では、優勝・文部科学大臣賞を発表します。優勝・文部科学大臣賞受賞チームは……飯塚高等学校『チアフル』です!」
永井シェフ「例年、審査が厳しくなっています。個人の好みが出るくらい、みんなのレベルが高くなっています」
鎧塚シェフ「今までにないレベルの高さでした。見た目だけでなく、味もレベルが上がっていて、僕たちパティシエにとっては嬉しいことです。
ずっと続けていくことがものすごく大切だと思います。この経験をパティシエ人生の糧としていってください」
大森先生「素晴らしい戦いでした。この仕事を15年間していますが、いちばんレベルが高く、皆さんに三ツ星を差し上げたい気持ちです」と、エールを送りました。
優勝こそ逃してしまいましたが、持てる力を最大限に発揮し、健闘しました!
「Sourie(スリ―ル)」藤川さん・鈴木さん・篠田さん、改めまして、決勝出場&「パストリーゼ賞」受賞おめでとうございます。
在校生や、これからレコールバンタン高等部で学ぶ後輩メンバーにとっても、大きな希望を与えてくれました